今回は、東北・福島県の会津若松でふと出会ったラーメン屋さん「めでたいや」をご紹介します。観光スポットとしても人気の高いこの街には、美味しいものがたくさんありますが、その中でもこの一杯……いや正直、想像のはるか上を行く、心に響くラーメンでした。
旅の合間に立ち寄っただけのつもりが、気がつけば「この味、もう一度食べたい」と余韻が残るほど。そんな“出会えてよかったラーメン”を、写真とともにじっくりご紹介します。
まるでお祝いのような一杯。「めでたいや」のラーメンに込められた温かさ
お店の名前からしてちょっと縁起が良い「めでたいや」さん。会津若松駅からは少し距離がありますが、鶴ヶ城周辺の観光に合わせるとアクセスしやすく、駐車場も完備しているので観光客だけでなく、地元の方にも愛されている人気店です。
店内に入ると、どこか懐かしい昭和の雰囲気。活気があって、それでいて落ち着いた空気感が流れていて、「ここ絶対当たりだな」という予感がじわじわとこみ上げてきました。
そして、運ばれてきたラーメンがこちら。
黄金色のスープに、しっかりとした厚みのあるチャーシューが3枚。ピンクのナルトがど真ん中でニッコリ微笑み、メンマとネギが美しく彩りを添えています。この見た目だけで、なんだかもう嬉しくなってしまうんですよね。
【スープ】じんわりと広がる旨み。会津の冬にもぴったりの温もり
まずはレンゲでスープを一口。すると……。
「これは……沁みる……」
乾物の旨みをこれでもかと詰め込んだ、香り高い一杯。煮干し、貝柱、昆布などをふんだんに使用し、口に含んだ瞬間、ふわっと広がる魚介の香りが印象的です。
醤油ベースのスープはキレがありながらも角がなく、魚系のだしが骨太に支えている感じ。動物系のコクに頼りすぎず、むしろ魚介の持つ“旨みの重なり”が前面に出ていて、後味まで心地よい余韻を残します。
背脂が少量浮いていますが、これは香りを邪魔することなく、むしろコクを添える名脇役として良いアクセント。寒さが残る会津の空気の中で、この一杯をすするだけで、体の芯からぽかぽかと温まりました。
【麺】もちもち&つるつる。箸が止まらない絶妙な食感
麺は中太で、少し縮れのあるタイプ。これがまたスープとの相性が抜群なんです。
もちもちとした弾力と、小麦の香ばしさが口の中でふわっと広がる。そしてスープをしっかり絡めてくれるから、すすればすすった分だけ、スープの旨みが喉を通っていく。
「ちょっと味見だけ」と思ってたのに、気がつけば無言で一気に半分以上食べてしまっていた……なんて、あるあるです。
【チャーシュー】見た目に負けない実力派。ほろっと崩れる極上の仕上がり
見た目でまずテンションが上がるチャーシュー。分厚いのに、箸を入れるとほろっと崩れる柔らかさ。そして噛むたびに脂の甘みと肉の旨みがじわじわと広がってくる。
しかも3枚も乗ってるんです。これはもう、「ありがとう」しか出てこない。
「ラーメンにおけるチャーシューの存在感ってこんなに大事なんだな」と、改めて気づかされました。
地元の人にも、観光客にも愛される「理由」がここにある
平日のお昼時だったのに、地元のお年寄り、仕事中のサラリーマン、観光客の家族連れで店内はほぼ満席。
でも、店員さんたちはテキパキしつつもとても感じが良くて、こちらまで自然と笑顔に。ラーメンだけでなく「人の温かさ」にも触れられる、そんなお店なんです。
「観光地のラーメン屋ってどうせ……」とちょっとでも思ってた自分を、全力で叱りたい。むしろ地元にあったら週一で通いたい。そんな風に感じる一杯でした。
【まとめ】もう一度、あの味に会いに行きたい
「めでたいや」のラーメンは、派手ではありません。でも、丁寧に、真面目に作られているのが伝わってくる味。そしてなにより「また食べたい」と心から思わせてくれる、力のある一杯でした。
観光で訪れる方はもちろん、地元の方にもぜひ一度味わってほしい。そんな“会津の名物”です。
次に会津を訪れたときも、きっと私はこの店に足を運ぶと思います。「ただいま」と言いたくなるような、あたたかなラーメンと、優しい空気に包まれて。
📍会津若松 めでたいや
元祖 会津中華そば めでたいや
住所:福島県会津若松市千石町3‑1
電話:0242‑33‑0288
営業時間:平日・土 11:00~21:00、日祝 11:00~20:00(スープ切れ次第終了)
定休日:火曜日(祝日営業翌水曜休)
駐車場:あり